桜が散るように ー 新撰組 ー
空はもう赤くて、夕日が見える。
ここはどこだろう。
そう考えていると
ガラッと襖が開いた。
「ほら、起きてるでしょ?土方さん。」
「あぁ。……具合は、どうだ。今から質問するが、答えられるか?」
さっきの男と、土方、と呼ばれている男がきた。
「具合は、大丈夫です、たぶん。
質問にも答えます。だから、私にも質問させてください。」
私はまっすぐ、土方さんの目を見て言った。
臆せず、はっきりと。
「……良いだろう。質問はなんだ。」
「ここは……どこです?」
「……は?」
土方さんは怪訝そうに、眉間にしわを寄せた。
それはそうだろう。
自分がいる場所が分かってないなど、おかしいのだから。
「お願いです。教えてください。……ここは、どこですか。」
「……京の、新撰組屯所だ。」
それを聞いた私は目を見開いた。
京の新撰組屯所。
京は昔の京都で
あの有名な新撰組の本拠地だ。
ーー…タイムスリップ?
その言葉が頭をよぎった。