桜が散るように ー 新撰組 ー





土方が再び竹刀を振り下ろしたとき



「!」

桜の姿が消えた。


土方は焦る。


こういうとき、だいたいは足音で敵がどこにいるか判断するが、




(アイツ……足音も、気配すらねぇのか。)




そう、桜は足音をまったく出さない。


これではどこにいるのか分からない。
と、思った土方だが



「――そこか!」


―――バシィッ


わずかな空気の動きで
間一髪で桜の攻撃を受け止める。







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