桜が散るように ー 新撰組 ー
「僕は、川瀬桜は白……だと思っているんですが。」
「それは俺も思っている。」
白。
つまりは二人とも、今のところ桜は間者ではないと思っているのだ。
しかし、土方が言いたいのはそんなことではないらしい。
「川瀬と試合をして気づいた。足音、気配、殺気が全くねぇんだ。」
「 ! 副長、それは……。」
「素人ではない、むしろ熟練者だろうにそうなんだ。」
「忍……ですか。」
山崎の言葉に土方は頷く。