桜が散るように ー 新撰組 ー
忍……。
現代で言うならば、忍者。
陰で動き、闇に生きる。
「忍ならば、間者の可能性も捨てきれないのでは?」
山崎の言葉に、土方は首を横に振る。
「それはねぇよ。それなら、忍であることを悟られないようにするだろうからな。」
山崎は納得したように頷いた。
普段から山崎は桜を監察していたのだ。
だからこそ分かる。
桜は間者ではない。敵ではないのだ、と。
時おり陰のある表情で、必死に笑顔を作る桜を敵とは思えないのだ。