桜が散るように ー 新撰組 ー




「川瀬は最初、見たこともねぇ着物を着ていた。」

「女子が着る着物だと言っていましたね。………違う時代の女が着るものだと言うことですか。」



土方は頷く。

あの、返り血で真っ赤に染まった白い服で倒れていた少女―――桜。


土方は最初、異国の女と思ったが
黒髪黒目、しかも日本語は流暢。

どう考えても日本人。




「それにアイツは、《今は何年ですか?》と聞いた。普通の奴なら聞かねえよ。」


見たこともない服。
有り得ない質問。

そして全くない情報。



それらから導かれるのは



「未来から来たんじゃねぇか、と俺は思ってる。」




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