桜が散るように ー 新撰組 ー
「副長………それは」
「ああ、有り得ねぇ。――普通なら。だが…。」
そう、“普通”なら。
だけど
こんな時代錯誤の世の中で
いつ死ぬかも分からない。
現実を痛いほど見てるんだ、みんな。
だから、
「摩訶不思議なことくらい、ちっとは信じてみてぇんだ。」
世の中に、奇想天外で、現実なんか小さいんだ、と分からせてくれるような
なにか自分の思考では追いつけないくらいの大きな何かを………見てみたい。
これが土方の本音だった。
「山崎。川瀬に即刻部屋に戻れと伝えろ。」
「……御意。」
そして土方は部屋に
山崎は再び道場へと向かった。