桜が散るように ー 新撰組 ー
「監察になるってことを分かってるのか!?」
「山崎さんこそ女ってものを分かってるんですか!?」
「俺は男だ!知るわけないだろう!」
「私だって監察じゃないんです!知るわけないでしょう!」
耳を塞いでも聞こえる声量で言い争われ、どこの子供の喧嘩だ…、と思う土方。
そろそろ止めに入ろうかと思っていた矢先
「だいたい監察は…」
「あーもう!分かってます分かってますよ!得体の知れない私を新撰組に置いて利用するためでしょう!?」
「……」
「……」
「…え、違いました?」
土方と山崎は、桜の言葉に固まる。
「何故…そう思った?」
土方が桜にそう問うと
桜は顎に手を当て、少し唸った。
「うーん…。未来から来た証拠とか無いですし…。此処って女中は居るみたいですが――お美弥さんみたく。でも女人禁制でしょう?」
そこで一旦区切って、土方を見れば、ひとつ頷く。
「だったら、まだ敵か味方かハッキリしていない私を野放しにするわけにもいかないし…女中にするしかないけど。私は一応忍者だし。微力ながら戦える」
―――利用できるものは利用した方がいいじゃないですか。
と言えば
二人は目を見開く。