桜が散るように ー 新撰組 ー



「それに私は軟禁状態で、土方さんの部屋の掃除係で……でも他の隊士さん方から見れば、邪魔じゃないですか。実際、歓迎会でお酌したときに、そうおもっている方は結構いました」


いきなり来た女を
信用できないで
敵視する。

それは当たり前で
しかし桜の身に対する危険が増す。

だから


「そういう方々を納得させるために、監察という役職を与えた方が丸くおさまります」


桜は人差し指を自分の頬に当て、ニコッと笑って


「新撰組は私を利用でき、且つ、監視できるし、私は寝食を与えてもらえます。隊士の方々も異論無く、問題は解決です!」


と言うと
やはり土方と山崎は硬直したままだった。

まだ幼い少女。
それが自分たちの考えの裏を短時間で見破った。

賢く、洞察力があり
忍術を始め武術もできる。

と、くれば


「山崎」

「はい」

「何か言うことは」

「…、ないです」


桜が監察方になることに
異論などなかった。



< 76 / 242 >

この作品をシェア

pagetop