桜が散るように ー 新撰組 ー
「それに私は軟禁状態で、土方さんの部屋の掃除係で……でも他の隊士さん方から見れば、邪魔じゃないですか。実際、歓迎会でお酌したときに、そうおもっている方は結構いました」
いきなり来た女を
信用できないで
敵視する。
それは当たり前で
しかし桜の身に対する危険が増す。
だから
「そういう方々を納得させるために、監察という役職を与えた方が丸くおさまります」
桜は人差し指を自分の頬に当て、ニコッと笑って
「新撰組は私を利用でき、且つ、監視できるし、私は寝食を与えてもらえます。隊士の方々も異論無く、問題は解決です!」
と言うと
やはり土方と山崎は硬直したままだった。
まだ幼い少女。
それが自分たちの考えの裏を短時間で見破った。
賢く、洞察力があり
忍術を始め武術もできる。
と、くれば
「山崎」
「はい」
「何か言うことは」
「…、ないです」
桜が監察方になることに
異論などなかった。