桜が散るように ー 新撰組 ー
かくいうわけで
桜は山崎に色々と教えてもらうことになった。
「あの的を狙えよ」
「な、なんか風で揺れてますが!?強風の日を選んでクナイや手裏剣の練習をする理由は!?」
今日はクナイや手裏剣の的当ての練習らしい。
木の枝に
紐でくくりつけた的を狙う…が
いかんせん風が強い。
的が揺れて狙いが定まらない。
「アホ。本来なら人間に投げるんだ。人間は動くだろう。だが人間を的にして練習すると危険だ」
「そりゃ人間を的にすれば危険ですね!」
「だからわざわざ強風の日に練習するんだ」
「うー…」
理にかなっている山崎の言葉に、桜はまず手裏剣を構える。
片手に一個ずつ持ち
―――投げた。
「…っな」
「あ、当たりましたよ山崎さん!」
二つの手裏剣は
的のど真ん中に命中していた。
「…一度で出来るものではないんだが」
「次はクナイいっきまーす」
次はクナイを構え
再び狙いを定める。
山崎は一挙手一投足を見逃さないように桜を見る。
ズドッという鈍い音とともに
クナイは的の中心にある手裏剣の隣に刺さる。
「山崎さん山崎さんっ!出来ましたよ!クナイや手裏剣を扱うのは久しぶりでしたがっ!」
「うるさい」
「いだっ」
ペシッと頭を叩かれた。