桜が散るように ー 新撰組 ー
ブレーキ音と悲鳴が、耳の奥で鳴り響いている。
目をつむって、浮かぶのは……赤い、赤い、血。
「私が、…血まみれなのは………っ。」
すると、
「あー…。言いにくいなら構わねー。話せるようになったら話せ。」
「そうですね。まず動揺してるだろうし、落ち着いてからですよ。」
土方さんと、男が言った。
「良いん、ですか……?」
私は二人を見て震える声で言った。
「だって君、泣きそうですから。」
土方さんじゃない男がそう言った。
ーー…違う。
泣きたいのを我慢してるんじゃない。
泣きたいのに、泣けないの。