桜が散るように ー 新撰組 ー





ブレーキ音と悲鳴が、耳の奥で鳴り響いている。



目をつむって、浮かぶのは……赤い、赤い、血。




「私が、…血まみれなのは………っ。」


すると、


「あー…。言いにくいなら構わねー。話せるようになったら話せ。」

「そうですね。まず動揺してるだろうし、落ち着いてからですよ。」



土方さんと、男が言った。


「良いん、ですか……?」


私は二人を見て震える声で言った。




「だって君、泣きそうですから。」


土方さんじゃない男がそう言った。



ーー…違う。



泣きたいのを我慢してるんじゃない。


泣きたいのに、泣けないの。





< 8 / 242 >

この作品をシェア

pagetop