桜が散るように ー 新撰組 ー
袖やら襟やらに隠し持っている武器を手にして、
急所を狙うが、やはり流石と言うべきか。
掠りもしない。
(強いっ!当たらないっ!)
「あー、もうっ!」
「苛々するな心を乱すな」
「…分かってますっ」
山崎の手から放たれる手裏剣を避ける。
見てからでは、遅い。
手の動き、体の向きなどから、軌道を予測して避けなければならない。
「っ」
顔の隣を手裏剣が通り過ぎる際に、空気を裂くような音がする。
(あぶなっ)
体制を立て直し、瓦を蹴って跳び、山崎の背後から蹴りを出す
「ちっ」
山崎は舌打ちとともに右腕で蹴りを止めた。
桜は一旦地面に足をつけ、
クナイで山崎の脇腹を刺そうとした。
(…勝った!)
……が、しかし
「はい、お前の負けだ」
一瞬で、後ろから喉に手裏剣が突きつけられていた。