桜が散るように ー 新撰組 ー
あの時はスゲェぐらいにしか思ってなかったが
よく考えれば、おなごがそこまで出来るほど、日々鍛錬してきたということだ。
「川瀬桜は実戦経験も無く、しかし強いです。それこそ俺だって」
――気を抜いていたら…負けていたでしょう。
土方は、口を開く。
「…それほどなのか」
「それほどです」
「なるほどなぁ。文句無しだな。家事も出来れば戦いも出来るとはな」
山崎は頷く。
保護しやすい状況にするために監察方に桜を置いたが、ここまで使える人材だとは思っていなかった。
保護する対象を危険に晒すことにはなるが、此方に有益になるし、川瀬桜本人も納得している。
山崎はそう思い、
土方に向かって言った。
「――実戦を、させてみましょう」
勿論、もう少し特訓してからですが。