桜が散るように ー 新撰組 ー


「特訓だ」

「へ?」

「行くぞ」

「え、ぇええ!?」


道場で素振りをしていた桜は、いきなり現れた山崎にどこかに連れて行かれた。


桜の頭の上ではクエスチョンマークが旋回している。


手をひかれたまま、裏道を通り
時には屋根から屋根へと渡り
草木を掻き分け着いた先は


「何処ですかー!?」

「山だな」


山崎の言葉の通り
木々が生い茂った山だった。


ただでさえ混乱中。

そう、混乱中。


だから


「おい、川瀬桜。脱げ」

「はい!?」

「脱げ」

「き、きゃぁあああ!」



桜は山崎が壊れたと思ってしまった。



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