桜が散るように ー 新撰組 ー
桜が落ち着いてから
こめかみに血管が浮かんでいる山崎が話した。
「人の話を最後まで聞け」
「…山崎さんの言葉が足りないんですよ」
「とりあえずコレを着ろ」
「流された!」
桜はとりあえず、渡された、というよりも、押し付けられたという方が正しいものを受け取った。
広げて見てみると
「……忍者服?」
真っ黒で
動きやすそうな着物と、
長いものと少し短いものの布が一枚ずつ。
山崎が今着ているものと同じものだろう。
「説明は後だ。先に着替えてこい」
「……覗かないでくださいね?」
「俺は得が無いことはしない」
「どういう意味ですか!?」
桜は茂みに隠れて着替えた。