桜が散るように ー 新撰組 ー
そして、日が沈み
「っはぁー!…クタクタです山崎さん…」
「お前はな」
「っ、新人虐めだー!」
ようやく特訓が終わった。
二人は高い木の枝に座っている。
京の景色を一望でき、桜は息をつく。
「うぅう、明日は筋肉痛決定です」
「良かったな、明日も特訓だ」
「どこがいいんですか!?」
山崎は、「冗談だ」と言い、地面に飛び下りる。
桜も続いて飛び下りると、
「明日は休みだ」
と言って、山崎は歩き出した。
桜は一瞬、ポカンとしてから、慌てて山崎の後をおう。
「え、えっ!?特訓しないんですか!?」
「根を詰めすぎてもダメだ。休むときは休め。身体を大事にして……強くなれ」
「山崎さん…」
(そんなに考えてくれてたなんて…、でも)
「休めそうにないんですよねー」
「…は?」
山崎は眉間に皺を寄せる。
桜は指折り数えながら、言う。
「女中の仕事でしょー?土方さんの…今は私のでもあるけど、お部屋掃除でしょー?色々ありますよね」
「…はぁー」
山崎は大きく息を吐いて、額に手を当てて俯く。
桜が女中(おもに土方の部屋掃除だが)でもあるということを忘れていたようだ。