狼彼氏
「よう!おめぇら静かにしやがれ!」
それを言われた瞬間。がやがやしていたのなんかぴたりとやんで、
我先にと席についていく。
「毎年のことで知ってるとは思うが入学式はねぇ。理事長の話を放送で流すから、静か聞いてろ?聞き終わったら解散な。」
そういってさっさと出て行った。
なんだ、あの先生は。
理事長の話をみんな静かに聞いていた。
私はというと、半分ぐらいは聞き流しながら、クラスをぐるっと見渡していた。
いかにもギャルです!!ってかんじで、目の周りがパンダになってる女子と。
髪の毛がカラフルになってる男子と。
それしかいない。まじめな人がいない。・・・いや、司はまじめだ。・・・多分。
理事長の話が終わり、ぞろぞろと解散していく。
3年間過ごすの、何事もなく平和に過ごしていけたらいいなあ・・・。そう思いながら眠りにつく。
そんな願いは、明日からすぐに壊されることなど夢にもおもわずに。