許されない、キスをしよう。





「皆川くん、落ち着いて。一度起きたことはもう仕方ない。」


皆川さんをいさめるように静かに告げる社長。




「…私…、蒼と、こんな関係じゃありません。」


「…りっちゃん。お互いがただの友達として交際していても、週刊誌はいつでもこういうチャンスをねらってるんだよ。」




社長のいうことは、正論で。
私は何も言えなくなってしまう。




「すみませんでした…。」


謝ってもすむことじゃない。
今さら後悔したって、遅いのも分かってる。
だけど、謝らずにはいられなかった。





スキャンダルを取り上げられるということが、どれほど芸能生活に影響するかくらい私にも分かる。



だからこそ、ここまで応援して支えてきてくれた社長や皆川さんには、申し訳なさでいっぱいになった。









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