許されない、キスをしよう。



ソファーに力なく沈み込んで、私はため息をついた。



「…では、次の話題にいきましょう。お、芸能ニュースですね。」


カバンを置いた拍子に、プツンと音を立ててテレビのスイッチが入る。
テレビには、司会者が映し出されている。




「今話題の水沢蒼くんの熱愛報道が注目されていますが…」


ボードに貼られた雑誌の切り抜きが大きくうつる。




「お相手はドラマで共演中の白川律萪さんということですが…。」


「まぁまだ二人とも若いですからね。勢いっていうこともありますし。」

薄い笑いを浮かべたコメンテーターの顔に、吐き気がした。




私はテレビを勢いよく切った。






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