許されない、キスをしよう。
…蒼は、大丈夫かな。
今ごろきっと、蒼の方が大変な思いしてるんじゃないかな。
ふと、蒼のことが頭をよぎる。
だけど…
今まで長い時間を過ごした気がしても、私は蒼の連絡先を知らない。
メアドも、携帯番号も、なんにも知らない。
いわば、他人のような関係で。
ドラマを通して一緒に演技をしていたことが、遠い遠い昔のような気がしてしまう。
これ以上考えるのが嫌になって、私はソファーにごろんと横になった。