許されない、キスをしよう。
「…もしもし。」
あわてて出ると、皆川さんの声が聞こえた。
「律萪、おはよう。早くにごめんなさい。だけど今日から撮影を再開させるって連絡が入ったから、早めに知らせた方がいいと思って。」
撮影再開と聞いて、ほっとしたような気持ちになった。
…もしかしたら、このまま私が降板になってしまわないかと心配だった。
「…よかった。ありがとうございます、皆川さん。」
皆川さんにお礼を言って、私はさっそく現場に行く用意を始めた。