許されない、キスをしよう。
ガバッと起き上がった瞬間、ぐらりと視界が揺れる。
「だめよ律萪、あなた極度の貧血と過呼吸を起こしたんだから。今点滴してもらってるからおとなしくしてなさい。」
すこし厳しい表情の皆川さんに、私はしぶしぶベッドに潜りなおした。
「撮影はしばらくおやすみ。幸い日程に余裕があるから、大丈夫そうよ。」
「…そうですか。迷惑かけてごめんなさい…。」
あぁ…なんだか、どんどん悪循環になってる気がする。
皆川さんにも迷惑かけっぱなしだし…。