許されない、キスをしよう。
「…」
今の状況を飲み込み切れずに、私はペタンとその場に座り込んでしまう。
「…律萪ちゃん!!」
頭の上から、一番会いたい人の声が聞こえる。
…一番、聞きたい声。
「…ふっ…ふぇ…」
プツリと、私の中で糸が切れたように涙が溢れてきた。
「律萪ちゃん!?どっか痛いの?大丈夫!?」
焦りの含んだ声に、私はふるふると頭をふる。
「…こわかっ…た…」
その瞬間、ギュッと何かに包まれた。