許されない、キスをしよう。
撮影のあと、ドラマに関する取材が入っていたから、私を含めドラマに出演する面々がスタジオにそろうことになっていた。
楽屋で準備していると、ドアがノックされる。
「はーい!」
私はメイクさんに髪を巻いてもらっていたから、入ってもらうことにした。
「りつねぇ!久しぶり!」
「美羽ちゃん!」
入ってきたのは、美羽ちゃんだった。
「最近撮影も日程ズレてるしなかなか会えなくて寂しかったよ〜!」
美羽ちゃんがガバッと抱きついてくる。
「ふふっ。律萪ちゃんと美羽ちゃん、ホントに仲良しね。じゃあ私はこれで。二人とも、頑張ってね!」
売れっ子メイクさんのカスミさんが私達を見て微笑みながら部屋を出ていく。
「カスミさん、ありがとうございました。」
私が頭を下げると、カスミさんは手を振りながら去っていった。