許されない、キスをしよう。




「あ…私、用事あるんで失礼します。」



みんなと離れて、千住さんのもとへ行く。
千住さんの話って、なんなんだろう…




人通りの少ない、自販機の近く。自販機と、簡素な椅子が何脚か置いてある。
自販機が低く唸り声を上げる。




「…千住さん。」

声をかけると、千住さんが振り返る。



「…。」

冷たく笑みを浮かべる千住さんに、一瞬怯んでしまいそうになる。



「あの、話って…。」

早く立ち去りたくて、千住さんに尋ねる。




「…あなた、蒼とどういう関係なの?」



蒼の名前がいきなり出てきて、ドクンと心臓が音を立てる。


「…どうって、仕事仲間…、だと思うけど。」




できるだけ笑みを繕って、私は冷静に答える。









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