許されない、キスをしよう。



「ふふっ…そう。ならいいわ。いいこと、教えてあげる。」

なぜか可笑しそうに笑う千住さんに、背筋が凍る。




「…なんですか。」

千住さんをまっすぐ見て、私は厳しい口調で問いかける。




「あなた…蒼に騙されてるの。」




一瞬、言葉の意味に理解できなかった。
混乱する頭の中で、必死に千住さんの言葉の意味を理解しようとする。

騙されてる…?




「…どういうこと、ですか?」

「あなた、最近仕事、順調?」



「…え?」

「まず10代のスキャンダルなんて、取り上げられると思う?それに、たかだかスキャンダル一回で、仕事が全て無くなると思う?」



「どうして…」

続きの言葉が、喉につっかえて出てこない。
どうして、千住さんが仕事のことや私の現状を知ってるの…?






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