許されない、キスをしよう。
「ふふっ。それに、ヒロイン役のドラマだけが降板させられないなんて、おかしいと思わない?」
「…それは、もう撮り始めてるから…」
どうしても現実を受け入れたくなくて、必死で千住さんの言葉に間違いを探す。
「…あなた、蒼に騙されてるの。スキャンダルになること、はじめから計算だったの!」
いやイヤ嫌。
そんなの嘘よ…
蒼が私を騙した…?
そんなの…
「嘘だと思うのなら、確かめてみる?」
笑いを含んだ声で、千住さんが私の耳元で囁いた。