許されない、キスをしよう。
「…ごめんねりっちゃん。僕にもっと力があれば…。」
悔しそうにそう言った社長がつくった握りこぶしは、小刻みに震えていた。
…社会はつくづく不平等だ。
どうしてフェアな勝負ができないの?
どうして…
「…最善は尽くしてみるよ。だから、りっちゃんにこのまま休止してほしくない。」
社長はまっすぐ私を見て、そう言ってくれた。
「社長…。」
…私だって、諦めたくない。
ずっとずっと叶えたくて頑張ってきたんだもん…。
なのに、活動を休止しなきゃいけないなんて…。