許されない、キスをしよう。
皆川さんに送ってもらって、私は自分の家に帰ってきた。
こんなことになるなんて…。
まるで走馬灯のように、蒼との思い出が蘇ってくる。
初めて一緒に仕事をしたのは、確か雑誌の写真撮影のとき。
今旬の芸能人とかいって、突然私の前に現れた。
生意気で、性悪で、口も悪くて…
なのに仕事はしっかりできて、他の人には礼儀正しくて。
意地悪なのに、時々優しくするから完全には嫌いになれなくて…。
…いつから、蒼のことを好きになってた?
そんなことを考えているうちに、勝手に涙が零れていた。