許されない、キスをしよう。
「律萪ちゃん、最近なにかあったの?」
今日は、ひとひらの恋の最後のシーンを撮る。
私は売れっ子メイクアーティストのカスミさんにメイクしてもらっていた。
カスミさんに言われて、私は鏡越しにカスミさんを見て首をかしげた。
「どうしてですか?」
「うーん…どうしてって聞かれると答えづらいんだけど、雰囲気が大人になったのよ。」
カスミさんの言葉に、私は笑ってしまう。
「なんですか、それ。」
「律萪ちゃん、今絶対バカにしたでしょう!?」
カスミさんとふざけあっていると、プロデューサーから集合の声がかかった。