許されない、キスをしよう。
「また千住さんに絡まれてたの?千住さんて、よく律萪を目の敵にしてるよね…。」
呉葉が声を潜めて耳打ちする。
「…ね。目の敵にされてるかどうかはわかんないけど、好かれてはいないよね…。」
…他人からみても好かれてはなさそうなんだ。
みんなに好かれるなんて無理なのは分かってるけれど、嫌われてるってのはやっぱりへこむ。
「まぁま、律萪、そうへこまないで!私がいるじゃない!!」
「…呉葉ぁ〜!ありがとう〜!」
…やっぱり、芸能界では、お互いがライバルになるわけで。
みんな仲良くってワケにはいかない。
だから、呉葉みたいな存在は貴重だ。