許されない、キスをしよう。
キキキーッ
突然、凄まじいブレーキ音が耳に入った。
目の前には、自転車に乗った中学生くらいの男の子がいた。
「そこのあんた、道の真ん中でぼーっと突っ立ってないでよ!危ないじゃんか!」
ものすごい剣幕と物言いに、私は思わず謝ってしまった。
「ごめんなさい…」
「…。」
学ランを着た男の子は何も言わずに、訝しげに私を見つめる。
「えと…。」
どうしていいかわからずに、私は立ち尽くす。