許されない、キスをしよう。




「りっちゃん、ちゃんと気持ち、伝えてくるんだよ?」


空港の入り口までついて、転がるように車から降りた私に、ちぃくんが微笑みながら言う。




「…うんっ!ありがとう!」

ちぃくんとさっくんにお礼を言って、私は一目散に走りだした。






騒然とするロビーの中、私は必死に蒼の姿を探す。
…確か、ニューヨーク行きの飛行機に乗るはず。


乗り場の保安検査場まで、また走った。




息が切れて、足がもつれて転びそうになる。
…だけど、そんなの関係ない。



今はただ…
会いたい。









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