許されない、キスをしよう。
ギュッ…
温かいものに、私はすっぽりと包まれた。
「あーもー…せっかく俺が突き放そうとしたのに…。」
「…蒼?」
私は蒼に抱き締められていた。
蒼は私をぎゅっと腕に力を込めたあと、そっと私を離した。
「…蒼?私…。」
「…ごめん律萪ちゃん、泣かないで。」
蒼の綺麗な指先が、私の頬を優しく撫でる。
「今こうして律萪ちゃん見ちゃうと、俺が離せなくなりそうで…怖かった。」
私の顔を見てから、蒼はまた私を抱き締めた。