許されない、キスをしよう。
「あぁ。それは…」
みんな、緊張しながら高野プロデューサーの次の言葉を待つ。
「『ひとひらの恋』の、AfterStoryを撮ろうと思ってるんだ。」
「…え?」
「いや〜、作家の霧島雫じきじきのお願いでさ。」
みんな、顔を見合わせる。
プロデューサーの言葉が飲み込めずに、私は立ちつくす。
「やっぱり本人に説明してもらった方が早いよな。霧島さん!」
プロデューサーは一人勝手に納得して、いきなり大声で霧島さんの名前を呼んだ。