許されない、キスをしよう。
「蒼…」
「…ありがとう、ずっと待ってくれて。」
耳元で、そっと告げられる蒼の気持ち。
体の熱が一気に上がる。
「…うん。」
「俺…本気で嬉しかったんだ。事務所のこととかで、たくさん辛い思いさせちゃったけど…。」
ぎゅっ、と回された腕にいっそう力がこもる。
「…蒼が迎えに来てくれたから、全部帳消しだよ。」
私はまわされた腕を握って言う。
「ふっ…ありがとう。」
くすっと蒼の笑い声が耳元で聞こえる。