許されない、キスをしよう。




「律萪ーっ!!」


「…っはい!?」



某撮影場所。
呉葉に耳元で怒鳴られて、やっと我に返った。




「もーっ、どうしたの。もうすぐ律萪の出番だよ?」


「ごめん…。」


「悩み事?話聞くよ?」

心配そうに、私の顔を覗き込む呉葉。



「呉葉…、本気の恋、したことある?切なくなったこと、ある?」


私が尋ねると、呉葉は吹き出す。



「どうしたのいきなり!!律萪らしからぬ質問だね。」


「…もー!真面目な質問だったのに!呉葉に相談した私がバカだった!」


膨れっ面になって言うと、呉葉はごめんごめんと謝った。





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