許されない、キスをしよう。
シーンスタートの声がかかった瞬間、ぐいっと腰を引かれた。
「ちょ、何すんのよ!」
私が蒼を睨みあげながら言うと、蒼はニッと口角を上げて笑う。
「律萪ちゃん、忘れたの?俺ら、カップルらしく、って指示されてんだよ?俺の方が技術上なんだから、おとなしく聞いてれば?」
…蒼は、自信過剰ナルシスト変態極悪男なのだ。
「なによ!今日だって遅刻してきたじゃん!この仕事は時間が命でしょ!?」
…残念だけど、仕事の面では蒼にはかなわない。
だから、蒼が技術で私より優れているというのも否めない。
だけど、蒼に言い負かされっぱなしではかなりムカつく!!
だから、今日遅刻してきた件に関してつっついてみる。