許されない、キスをしよう。
「いや〜律萪ちゃん、蒼くん、よかったよ〜!やっぱり美男美女はいいね!しかもすっごくカップルっぽかったしね!」
そう言って、カメラマンさんは朗らかに歩き去っていった。
「ありがとうございます!」
引きつる笑顔で私は頭を下げた。
…蒼とカップルに見えるとか、死んでもヤだったんだけどな…。
「よかったね、律萪ちゃん。俺の彼女に見えたって。ちゃんと俺と釣り合っててよかったね♪」
頭上から、憎い声が降ってきた。
「っ何なのよ!えらっそうに!」
怒りが込み上げてきて、私は思わず怒鳴る。
「…え?律萪ちゃん、どうかしたの?一人で…。」
辺りを見回すと、蒼がいない。
「いえ、なんでもありません。失礼しました。」
にっこり微笑んで、私は応えた。
…そんな風景を、遠くで見て爆笑している蒼。
…あの男〜〜っ!!!