許されない、キスをしよう。




「…ごめん。後…ありがとう。」


私が言うと、蒼はいきなり吹き出した。



「律萪ちゃん、それ、お礼言う時の顔じゃないよ!」

…コイツ!!
人がせっかく素直に言ったのに!





「もういい!蒼なんかにお礼言った私が馬鹿だった!!」



「待って!」


いきなり左手を引かれて、私はバランスを崩しそうになる。



「なにすんのよ…」


「今日は俺は洵で律萪ちゃんは芹葉だから。ってことで、俺らはカップルだから。」


「…は!?」


「だから、今日のデートは洵と芹葉のデート。」




…蒼、もしかして。
役を演じきれない私のために、こうしてくれてるのかな。






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