許されない、キスをしよう。
「…なんでデートなわけ?私にとっては久々の休日なの。やりたいこといっぱいあるんだから!」
ため息をはいて言うと、蒼はひどく悲しそうな顔をした。
「…ごめん。そんなつもりじゃなかったんだ。ホントにごめん。迷惑かけちゃいけないし、帰るね。」
蒼はそのままクルリと背を向けて帰ろうとする。
…そんな態度とられちゃなんだかこっちが罪の意識に苛まれるんですけど!!
「…ちょっと待って。分かったから!用意するから!…なんなら中で待っててくれていいよ?」
私が少し気を使いながら声をかけると…
「そう?よかった!お邪魔しまーす♪」
蒼は満面の笑みでずかずかと神聖なる私の部屋へと踏み入れる。
「まさか…全部演技でしょ!?騙すとかサイテー!!」
…怒鳴りながらも私は出かける準備をするべく部屋へ入った。