許されない、キスをしよう。



最終的に、私は前にモデルの仕事をしたときに着て、すっごく気に入ったから買い取ったワンピースを着ることにした。

たっぷりのレースがポイントの白のインナーを着て、淡いピンク色のワンピに、お気に入りのクリーム色のパンプス。




よし!我ながらいい感じ!

勢いよくドアを開けて、蒼に一言物申す。


「もう、自分から誘っといて急かさないでよ!!」



蒼は目をぱちくりさせて私を凝視する。





「…蒼?」

反対に不安になって蒼の名前を呼んでみると、蒼はハッとしたように口を開いた。



「や…律萪ちゃんが可愛くてびっくりしちゃって…。」


「…は!?」




めったに人を褒めない蒼に言われて、私の顔は一気に赤くなる。


「もうっ、何言ってんの!ほら、デート行くんでしょ!!」




赤くなった顔を蒼に悟られないように、私はバッグをひったくるように手にして蒼を家から追い出した。








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