呪いの時計


(もう嫌だよ〜)



わたしは泣きそうになり、その場にへたりこんだ。





「だれか助けて‥」



わたしの目からはついに涙がこぼれ落ちた。




「篠原さん‥?




どうしたの?」




わたしはふと上を向く。



そこにいたのは



「天野くん‥




どうしてここに‥?



わたしは泣き声でそう聞いた。




「ぁ、ぼく通学路にここの道使ってるんだ。



家こっちだからさ。



君は一体どうしたの?」




この男の子は同じクラスの天野悟史(あまのさとし)くん。


眼鏡をかけていて頭もよくて運動もそれなりにできて優しく、女子に人気のある部類の人だ。



「あの、えと‥」




わたしは戸惑ってしまった。
< 19 / 69 >

この作品をシェア

pagetop