呪いの時計
「その数日後、あいつはこの俺にも黙っていなくなりやがった。
‥‥これは憶測だが、ほんとはあいつ転校したんじゃなくて失踪したんじゃないのって思った。
だけど、そんなこと考えるのもばからしくてそのまま転校ってことで受け入れたんだ‥‥」
「わたしも彼は消えたんだと思うの。
お話、ありがとね」
歩美は少し悲しそうにお礼を言った。
「あぁ‥
このくらいしか話せなくてすまんな」
「ありがとうございました。
またいつかお礼はします。
ではこれで」
わたしは頭を下げその場をあとにしようとした。
「おい!
お前ら‥気をつけろよ?」
わたしは振り返って笑った。
そして無言でその場をあとにした。