また、出会う
歌っていたら、いきなり強い風が吹き付けた。

桜の花びらが舞う。

髪もぐちゃぐちゃになるけど、一曲歌いきり、この風も気持ちが良かった。

風が止み、教室へ帰ろうとしていると、人の気配がした。

「誰?」
聞いても答えは無かったけど、息遣いは聞こえてきた。

ゼイゼイ、ハァハァ言ってるのは走ってきたからかなぁ?

そう思っていたら…


「間に合った…」


脇腹を手でおさえ、荒い息遣いをする人。

その人を見て、私の心は揺れる。

夢を見ていた時のような気持ちになる。

懐かしいような、愛しいような、恋しいような…



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