また、出会う
教室を出て、廊下を走りながら、僕は考えた。

微かな歌声を聴ける場所を…

とりあえず、あの場所へ行こう。

僕はひたすら走った。

上靴を履き替える暇も無く。

君が帰ってしまうことを恐れて…。

でも、歌声が終わる事はなかった。

僕は、その声を頼りに大きな桜の前に来た。

その瞬間。

神の思し召しなのか?

目を瞑りたくなるような強い風が吹く。

見つけた。

強い風で散りゆくたくさんの桜の花びらに隠れた君を…。



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