いちごいちえ
瑠衣斗と居ると、私は昔なら想像できない程、どんどん成長していく。
恋愛って、2人で一緒に成長していく事なんだ。
今まで知らなかった瑠衣斗を発見する度に、瑠衣斗も一緒に成長しているんだと実感する。
瑠衣斗と居ると、今まで知らなかった自分を沢山知った。
「遠慮するな。利息も付けてやる」
「怖いから!!余計いらないよ」
じりじり後退する私を、瑠衣斗が力強く引き寄せる。
あっという間にすっぽり包み込まれ、甘い爽やかな香りと温もりに包み込まれた。
離さないとばかりに抱き締められ、その息苦しさが心地良い。
さっきまでの苦しさが、嘘のように胸が満たされて暖かい。
胸に埋めた所から、響いてくる瑠衣斗の声に、私は頬を擦り寄せた。
「はあ…いきなり様子おかしくなるから…マジで振られるかと思った」
「お…大袈裟だよ」
「大袈裟じゃねえ。かなり焦った」
瑠衣斗の気持ちが移るように、胸がキュンと鳴る。
そんな訳ないのに。そんな事、あるはずないのに。
こんなに嫉妬しちゃう程、るぅの事が好きで堪らないのに。
「ごめんね、るぅ」
私の気持ちが伝わるように、想いを込めて言葉にする。
不安にさせて、困らせて、ごめんね。
「いーやーだ」
「え、なんで!?」
「そんなんじゃ足りねー」
子供っぽく感じる瑠衣斗の口調と言葉に、慌てて顔を上げる。
その途端、優しく重ねられた柔らかい唇に、目の前が瑠衣斗でいっぱいになった。