いちごいちえ




私に覆い被さるように、瑠衣斗がゆっくりと顔を近付けてくる。


物凄くドキドキしたけれど、私は自然と目を閉じた。



「ん…はっ」



軽く触れられたかと思うと、段々と深くなるキス。


一度火がついた私の体は、再び熱くなるのに、そんなに時間はかからなかった。


むしろ、まるで瑠衣斗の熱が移るように、体の芯が熱くて堪らなかった。



髪に指を入れられただけで、背筋がゾクゾクとする。


瑠衣斗の熱い舌が、私を溶かしていく。


何度も何度も絡められる度に、私の口からは甘い吐息が漏れ出す。



いつの間にか、しっかりと体を覆い隠していた自分の腕は、瑠衣斗の広い背中に力無く回されていた。



瑠衣斗に触れられるだけで、全身が敏感に反応する。


どこを触られても、そこから甘い刺激が生まれ、体がしなる。


自分がこんな風になってしまうなんて、夢にも思わなかった。


瑠衣斗に触れられる度に、感じた事のない感情がむくむくと大きくなる。


私の知らなかった、自分の本性。


理性なんて、簡単に飛んでいた。


ただひたすらに、瑠衣斗を欲しいと思ってらなかった。


もっと深い所で繋がって、一つになりたい。


瑠衣斗が、欲しい。



「なに…?またイクの?」



意地悪な瑠衣斗の囁きが、鼓膜を震わせる。


少し息の乱れた瑠衣斗の声が、私を狂わせる。



意識が遠退きそうになった瞬間、そんな私を引き戻すように、部屋中に電子音が鳴り響いた。
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