いちごいちえ
ガバッと起き上がり、急いでベッドから抜け出す。
床に散らばった自分の衣類をかき集め、身につけようと慌てた。
え!!ウソ!?
なんで?!
どうして私と瑠衣斗が帰ってきてるって、知ってるの!?
焦る私を余所に、更に玄関が慌ただしくなる。
「ちょ、待て龍雅!!って、宗太も待てっ!!」
「なんだよ、ハニーちゃんも居るんだろう?」
「いるけど!!ってだから宗太ぁ!!」
うわぁぁぁ、ヤバい!!
上がって来ちゃったよ!!
服を着るのは諦めて、慌てて服を持って寝室へと飛び込む。
ドアを閉めようと手を伸ばしたが、音がしてすぐにでも龍雅や宗太に開けられたらマズいと思い、慌ててベッドに潜り込んだ。
それから数秒後には、先程よりもクリアな声がリビングへと雪崩れ込む。
息を潜め、身動きをしないように努めて押し黙る。
起きている事がバレれば、簡単に布団なんか剥がされてしまうだろう。
「るぅの部屋久々〜…って…もも寝てんじゃん!!」
「なんだ。だったら最初から言えよな」
なるべく顔が見えないように、布団に潜り込む。
危機一髪。だったには違いないのだけど、まだまだ危機なんて去っていない。
私…下着しか身に着けてない。
このまま布団から出れば、間違いなく変人……。
……どうしよ。
布団から出れない!!
「んで、シャツ引っ掛けただけって、セクシーだなあ」
「……だろ」
そしてどうやら、瑠衣斗は上にシャツを引っ掛けただけと言う、何ともセクシーな格好をしているらしかった。