いちごいちえ
「麺つゆ…??ももって素麺好きだったっけ」
「え!?う、うん。夏だし?サッパリしてるしダイエットにも良いかな〜…って…」
「これ以上痩せてどーすんだ。むしろもうちょっと太ってもいいんじゃないか?」
真面目に答えてくれる瑠衣斗に、頬がピクピクする。
龍雅と宗太にいたっては、今にも爆笑してしまいそうな程笑いを堪えている。
「そう…かな」
「そうだ」
「……ぐ」
「具?」
瑠衣斗の天然ぶりに、思わず笑いを堪えていた所で声が漏れる。
なんとか誤魔化していたのに、それを自らダメにしてしまいそうになっても、瑠衣斗自らが救ってくれた。
「おまっ…お前ら…コントかよっ」
「わははは!!ダメっ!!お、俺もう無理!!」
「はあ?なんで笑うんだよ…意味分かんねー……」
ついに笑い出してしまった龍雅と宗太に、瑠衣斗は怪訝そうな顔を向ける。
さっぱり意味の分かっていない瑠衣斗は、そんな顔のまま私を見下ろす。
まるで、私に同意を求めるように。
「…あいつら…帰って来たらなんか可笑しくなってねえ?」
「ど…どーかな〜?」
真剣にそう言う瑠衣斗に、私は必死に笑いを堪えた。
間違いなく、帰ってから可笑しくなっちゃったのは、るぅだよ。
とは言わずに、心の中にしまっておいた。