いちごいちえ
だいたい宗太は、なぜそんな風に思ったのだろう。
まだまだ付き合っても間もないし、一緒に住むなんて確証できたのだろうか。
「ねえ、なんで宗太は…そんな事思ったの?」
「え?なんとなーくだよ。るぅんち来たら、もも寝てるし。帰ってからもこうして2人で居るって事は、少なくともるぅが離れたくないんだろうな〜って」
「それだけで!?」
宗太の推理のような思考に、思わず驚く。
たったそれだけの事で、こんな事まで予想してしまう頭の回転の良さに、圧巻だ。
「まあ、俺だってるぅの立場だったら同じ事思うだろうな」
「どうして?」
ソファーの足元に伏せるももちゃんに向かって、宗太が優しい笑みを浮かべて屈み込む。
そのまま優しく頭を撫でながら、宗太がゆっくりと口を開く。
「ずーっと片思いして、ようやく想いが通じたんだ。ずっとももの事を見てきたからこそ、1人にはしたくないんだろう」
「だから…一緒に?」
「もちろん、それだけじゃない。その理由は、ももが一番知ってるんじゃないか?」
「え…?」
私が一番、知ってる……。
そう言われてみて、はっとした。
瑠衣斗は、私が寂しくならないように。
いつもそばに居れるように。
そう思ってるの?
私が瑠衣斗のそんな場所になれるよう、望んだように。
瑠衣斗もそう思ってくれていた。
何かが見つかったように、胸にたまっていたモノがすっと消えていく。
その代わりに、暖かいモノがなだれ込んできた。